「洗濯マグちゃん」効果なしの報道
消費者庁が「洗濯マグちゃん」に、マグネシウムの効果で洗剤や柔軟剤を使わなくても洗濯できるという謳い文句に根拠なしと発表しました。
news.yahoo.co.jp 洗濯マグちゃんは、マグネシウムで水をアルカリイオン水に変えることで洗剤いらずで洗濯できる、と謳っている製品です。もし洗剤を使っても従来の半分の量で済むので経済的、柔軟剤もいらない。部屋干しをしても嫌な臭いがしない、使っていくうちに洗濯槽や排水パイプの汚れも落としてくれる。という、いいことづくめの製品です。
割と人気のある商品だったらしく、自然派の生活をしたい人や節約アイテムとして、よくブログやInstagramなどであげられていました。
しかし今回消費者庁より「効果なし」と発表されました。
これは科学的な根拠が得られなかった、という事です。
今回の報道で色々な反応が見れたのですが、それが興味深かったです。
「効果があった」「効果がなかった」にはっきりと二分している
発表直後というのもあるのでしょうが、「効果があった」「効果がなかった」というのにはっきりと分かれていました。
「効果があった」でも、全面的に肯定しているものより一部肯定(部屋干しの匂いがない、洗濯槽から嫌なにおいがしない等)するものが多かったです。
「効果がなかった」を見ると、多少は効果がみえたが自分が思ってた程の効果が感じられなかった事がとても多く見れました。
両方の感想を合わせると「一応効果らしきものはあるが、全面的な謳い文句通りの効果を確認できなかった」というグレーな反応が大多数だったという事です。
「買う」決断を指せたのは口コミの可能性大
メーカーで規定された使い方をするならば(洗剤なしで使う場合)、一般家庭では恐らく2個が必要という場合が多いのではないでしょうか。
Amazonを見ると2個セットで2~3000円前後で販売されています。
1年分の洗剤代が約8500円前後とされているので、もし謳い文句通りの効果があるなら元は取れます。
ですが、よくわからないものとして手を出すには勇気が必要な金額です。
そこで頼りにされたのが、口コミです。
少しネットを見ると、すぐに「これはいいものです」というブログや動画が沢山見つかります。
これが背中を押した人が多かったのではないでしょうか。
実は私も買う寸前まで欲しかった
実は私も欲しかった商品です。
気になっていたので、色々とブログをみたりしました。
調べれば調べるほど、効果があるいい商品に見えてきました。今すぐ買いたいと思う程欲しかったのですが、ためらってもいました。
それは理屈がよくわからなかったからです。
マグネシウムを水に入れてアルカリイオン水に変える、というのがどうも引っかかっていました。水がアルカリ性に代わるとしても、洗濯の洗い時間で変わるものなのか?という疑問です。洗剤代わりになるほどのアルカリ性、しかも使う水の量は理科室のビーカーどころではありません。
買って確かめてみたい、という欲求はありました。
しかし飛びついて買うには、お値段は高いなーというのが素直な感想です。
その為踏ん切りがつかづ、保留にしていました。
そこに今回の発表で驚きましたし、ホッとしました。
何故効果があると多くの人が感じていたのか
科学的データがない以上、「効果がある」と感じるのは気のせいとも言えます。
それは何故でしょうか。
・せっかく買ったから「効果がない」のは認めたくないという心理
・多くの人が「効果あり」と評価しているので何か効果があるはず、という心理
・洗濯機自体の洗浄性能が高いため
という事が、考えられます。
心理的に何らかのフィルターがかかっていたことが、大きく考えられます。
「○○さんがいいといっていたから」「○○は効果がわからなかったけど、しばらく使うと効果が出るかも」
やはり自分が買ったものが全く使えない、というのは中々信じたくありません。
水で洗濯をしても、洗濯機自体の洗浄機能が進化していたためある程度の汚れは落ちていた、とも考えられます。
毎日洗濯をしている人も多いので、そのように感じたのかもしれません。
「それでも使い続けたい」という心理の怖さ
報道の感想を見ていると、「それでも使い続けたい」といっている人が結構いたのが気になりました。
「○○という効果はなかったけど、□□という効果は感じるから」という理由が一番多いのですが、本当にそうですか?と問いたくなります。
それは本当に、その製品の効果ですか?と。
否定された事を信じたくない、という心理が今は大きいのかもしれません。
しかしそれは詐欺的な行為やニセ科学、偏った思想が付け入りやすい状態でもあり、信じている状態でもあります。
「自分が信じたもの」を信じたい気持ちはわかりますが、一呼吸おいて考えてみることが大事です。
考え方が先鋭化していないか、根拠がよくわからないものをどんどん使おうとしていないか、それが何より素晴らしいと感じてないか。
人はこうして染まっていくんだな、という見本の意見がみえたので怖くなりました。
今回の製品は、私も「欲しい」と感じたので他人事ではありません。
気を付けたいと思います。