そろそろアレな世代の話をしようか

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呪術廻戦0は乙骨君の成長物語としてのカタルシスを味わえる

呪術廻戦0をみた

呪術廻戦0が映画館で上映されているので、見てきました。

私は呪術廻戦のアニメを全て、原作も途中まで読んでいます。

そして両方とも面白いと思っています。

率直に呪術廻戦0の感想を言うと、映画館で見てよかったなあと思える作品でした。

その理由を書いていきたいと思います。

(ネタバレ内容あり)

 

物語としての魅力と感想

物語は乙骨君を中心として話が展開していきます。

大まかなあらすじは、

子供のころに折本里香と「結婚してずっといようね」と約束した直後、彼女が交通事故にあって死亡。

その彼女が彼自身へ呪いとしてとりつき、周囲の人間を傷つけていく。

人との接触を避けるようになり、いじめを受けるようになる乙骨。

ある日いじめ加害者が重傷を負う事件があり、特級過呪怨霊“折本里香“の存在を確認され払うことができないため秘密裏に彼へ死刑宣告がされる。

だが五条悟により呪術高専へ通うよう説得されて了承。

自身の呪いを解除することを目指し学校生活を送って、周囲ともなじんできたある日。呪術師のための世界を作ろうと目論む夏油が「百鬼夜行」を行い、世界を変えると宣戦布告してくる。

だが夏油の本当の目的は、その思想を実現するために特級過呪怨霊“折本里香“を手に入れることだった。

乙骨がいる呪術高専に夏油が乗り込み、クラスメイトとともに死闘を繰り広げる。

呪術廻戦本編の前日端の物語でもあります。

「愛は歪んだ呪いの形」というセリフがいい

この作品で一番印象深いセリフを上げるのならば、私は「愛は歪んだ呪いの形」をあげたいです。

五条悟が乙骨君に向かって言うセリフなのですが、これは作品の中の登場人物達に被ってくるセリフだなと感じます。

特に対照的に被っているのがこの二人。

乙骨君は最愛の彼女の死を受け入れたくない一心で支配。

夏油は不条理な目に合う呪術師達や守ってきたはずの人間の闇をみて、呪術師達を守ろうと世界を変えようと行動。

二人ともそれぞれの動機の根底を掘り下げると、愛なんですよね。

ただその愛が、歪んで発動してしまった。

 

乙骨君はその思いゆえに(自身が強力な呪術師としての力を知らずに持っていたとはいえ)、愛が呪いとなって自分自身も最愛の人も支配することで傷つけてきてしまった。

夏油は呪術師に対する不条理を正そうとする思いゆえに、最終的に歪んだ思想に落ちますが、元々は優しさとまっすぐな心から来ています。

どちらも愛から来た歪んだ呪いです。

でもその最終結果は大きく違います。

乙骨君はその事実に気づき、解放と救出にたどり着きます。

夏油は殺戮と排除に向かい、最終的に破れてかつての親友に殺されます。

「愛は素晴らしい」というテーマの作品ではありませんが、それぞれがたどった結果と結論が面白い作品だなと思いました。

一人の人間の成長物語として

呪術廻戦0を一言で言うなら、乙骨君の成長と再生の物語です。

「強力な呪い」に怯えて制御できない時期の乙骨君が、周囲とかかわることで能力的にも人間的にも強くなっていきます。

特に自分の命と引き換えに戦う姿は、それまでの彼を見ていると「よくぞここまで成長した」と熱くなります。

成長によるカタルシスを存分に味わえますね。

特に「呪い」を制御するあたりから、彼の強さと優しさを存分に味わえます。

 

余計なことですが、乙骨君役の声優さんがエヴァンゲリオンのシンジ役の人です。

そのためシンジ君と乙骨君を重ねてしまいそうになりました。

どちらも自分の成長や本来の自分を取り戻すので、仕方ないかな。

しかし呪術廻戦の本編への架け橋として、登場人物たちの昔話としてとてもよくできて面白いと思います。

 

乙骨君の成長物語は、深い哲学的な内容ではありません。

しかし人間的な成長に対するカタルシスを感じることができます。

本編の前日端としての物語としても、十分に面白いです。

映像側から見た感想

映像側から見た感想です。

家で見るよりも、映画館で見たほうが魅力が増す作品だというのが素直な感想です。

映画館で見てよかったと思った理由

素直に映画館で見てよかったと思った理由は

・戦闘シーンの醍醐味を十分に味わえる

・画面の細かな所までよくわかる

・家庭用機器より映像と音響のバランスがいいので満足感が高くなる

一番に理由は戦闘シーンの圧巻さ

「呪い」のえげつなさの描写がいい

呪いの力が戦闘だけではなく随所に出てくるのですが、えげつなさを感じる演出が好きです。

呪い本体のデザインの気持ち悪さ。

呪術師や夏油傑側のような呪詛士が使う呪いの力の描写の禍々しさ。

TVアニメ版でもそうでしたが、実に薄暗く不気味なのです。

呪術廻戦という世界観を表現する重要なビジュアルなのですが、呪術廻戦0でもぶれていません。

 

そしてこの呪いの描写が、乙骨君の強さとオチに活かされています。

特級過呪怨霊“折本里香“の邪悪そのものを感じさせるような外見、問答無用の強さと凶悪性。

その強さの源は彼女の執着する呪いではなく、彼自身がもつ呪力であったというタネアカシ。

作中で「愛は歪んだ呪いの形」という五条悟のセリフがあるのですが、まさにその体現です。

呪いのクリーチャーとしての造形が好き

人を襲う呪いがクリーチャーとしてデザインされることが多いのですが、そのデザインの人外感と異質さの造形が素晴らしいと思っています。

低級なものは、どこか人体を切りとったり人間のなりそこないのようなものが多いです。

しかしとびぬけて強力な呪いの体現は、完全に何か他のものなんですね。

人ではない異質なもの、話し合いが通じないようなもの、一見洗練されたデザインだが分かり合えない感じのするもの。

呪術廻戦の原作の呪いのデザインが不気味さで秀逸だと思うのですが、実際に動くそれ自体にも不気味さを感じて上手に世界観を組み立てているなと感じます。

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