街中の銭湯の思い出
妹が大学生の頃、家に泊まりに行ったことがあります。
その時一緒に、妹が住んでいた場所の近くにあった銭湯に行きました。
もう遥か昔の思い出ですが、雰囲気といいお湯といい、とてもよかった思い出があります。
その時の思い出の話です。
初めての「日常使いの銭湯」にドキドキした
妹は内風呂付の賃貸に住んでいたのですが、たまにその銭湯に行くと言っていました。
銭湯の名前は憶えていませんが、「せっかく来たから一緒に入ろう」と妹が誘ってくれました。
実は私、その時初めて日常使いの銭湯というものに入りました。
温泉は入ったことはあるのですが、それはあくまでレジャーとして。
日常で使う銭湯は初めてなのです。
そしてそこは実に魅惑的な世界でした。
年季を感じさせる外見の渋い建物、番頭が座っている光景、古い映画やドラマそのままのような脱衣所、そして風呂場から聞こえてくるお湯を使っている人の音。
そこはどこか懐かしい、でも実際に経験したことがない光景が広がっていました。
決して大規模なものではなく、こじんまりです。
今でも覚えているのは、脱衣所全体に敷かれている竹ラグ(?)の心地よい感触と小さな露天風呂です。
全体的に飴色に光っている竹ラグは年季を感じさせますが、丁寧に掃除が行われていてかえって味わい深いです。
見渡せば体重計にマッサージチェア、大き目の時計が壁にかかっていました。
お客さんはサッと服を脱いで必要なものをもって風呂場に向かいます。
浴場への扉を開けると、これもまた年季の感じる浴場で、でも清潔感と生活感が溢れた空間です。
そして細かな総タイル張りが浴場一杯に貼られていました。
ザバーザバーとお湯を使う音と話し声が室内に反響し、これが実に「大きなお風呂に入っている」というワクワク感を増してくれます。
でも一番の楽しみは露天風呂。
小さいのですが、なんと露天風呂がついていました。
そこは小さなお風呂でしたが、お湯は本物の温泉を使っているとのこと。
確か黒っぽいような色がついていたと思います。
夜風が多少冷たかったけど、お湯の心地よさと解放感が最高でした。
「これを味わったら、(内風呂があっても)来たくなる気持ちがわかるでしょ?」
「わかるねえ、これはいいねえ」
と妹と会話したのを覚えています。
やっぱり湯上りは牛乳系で〆
そんなこんなで心地よすぎて、結局長風呂をしました。
水分補給は定番の牛乳系!
実は一度やってみたかったんです。
私はコーヒー牛乳を瓶で飲みました。
ゴクゴクと音を立てながら飲んだコーヒー牛乳の美味しさよ。
銭湯での風呂上りのほくほく感に、冷えたコーヒー牛乳ののど越しが最高に合う!
なんであんなに湯上りの牛乳系って美味しいんでしょうか。
飲んだ後も少しぼーっとして、帰宅しました。
この銭湯の感想は一言でいえば、「しっくりくる」です。
今から思えば、温泉やスーパー銭湯のようなレジャー感や派手さはないのですが、地に足がついた心地よさがありました。
確かに風呂上りに自宅に帰るのは、内風呂を使うような気楽さはありません。
しかしそれを考えても「また入りに行きたいな」と思わずにはいられない経験でした。
実際滞在中に、一人ではいりにいきました。
あの銭湯、今はどうなってるんでしょうね。
昔の思い出でした。