健康診断でひっかかって、内視鏡手術をしました。
pomu2019ab.hatenablog.jp今回は、入院していた5日間の記録を書いていきたいと思います。
内視鏡手術のため入院
私が入院した病院では、入院時は専用の受付窓口があります。
そこで入院当日の受付をしました。
具体的に何をしたかというと
・医療用の限度額適用認定証の提出
・事前に渡されていた書類の提出
この2点です。
その後病棟を指定され、荷物を持って移動しました。
入院用の部屋は相部屋でも過ごしやすい感じ
指定された病棟に行くと、自分が入院時に滞在する部屋とベットの位置を具体的に教えてもらい移動。
私は4人部屋を使う事にしたので、知らない人と相部屋です。
病室というと古くて薄暗くてプライバシーも何もない、そんなイメージがありました。
しかし実際の病室は想像よりも全然広くて、清潔感がありました。
ベット回りに簡単なテーブル、椅子、収納用ロッカー、貴重品入れが標準で用意されています。
ただやっぱり個室ではないので、仕切りはカーテン。
これは仕方ないですね。
その代わりベット回りの余白が大きくとられており、カーテンもぐるりと周囲を囲えます。
ベット周辺の照明も間接照明で眩しすぎず、明るさを調節しやすくなっています。
思った以上に心地よく過ごせる雰囲気があり、驚きました。
しばらくすると担当の看護士(日替わり)がきて、入院生活の注意点や入浴や食事等の生活全般の説明がありました。
ロッカーに荷物を整理して一息ついた時、入院生活がスタートするんだなと実感しました。
入院生活がはじまる
入院時の基本的なスタイルはTシャツとダボっとした柔らかい生地のズボン。
体を締め付けたりしないよう、らくちんスタイルです。
消灯時間は21時。
入院中一番困ったのが、この消灯時間です。
普段起きている時間帯なので寝れず、ベットでゲーム機で遊んだりしていました。(ヘッドホンをつけて画面の光が漏れないようにしながら)
ネット環境はfree wifiが用意されているのですが、実際に接続できたのは入院生活2日目から。(接続数ではじかれてたから?)
同室の人は幸い困った感じの人はいなかったのですが、お見舞客の話し声が大きくて困りました。
本人は普通の声かも知れませんが、他人から、しかも安静が必要な時の話し声ってかなり大きく聞こえるんです。
対策として耳栓をしたりイヤホンをつけていました。
入院生活1日目
荷物を片付け終えると本当にやる事がありません。
翌日に手術を控えているので食事に気を付ける必要がありますが(病院側がそれ用の食事を用意してくれる)、それ以外行動の制限はありません。
「手術後は医師の許可が下りるまでシャワーも禁止です。髪も洗えません。」
そう言われたことを思い出しました。
つまり入院時に確実にお風呂に入れるのは、今日だけ。
早速シャワーの予約をして、髪と体をしっかりと洗いました。
それ以外の時間はタブレットに落としてきたドラマを見たり本を読んだり、ゲーム機で遊んだり。
時に棟内を散歩したりして外の景色を楽しんだり。
ダラダラと時間をつぶしていました。
食事は制限食とはいえ、食べやすいように工夫されて美味しかったです。
22時に前準備のための下剤を薬を飲むよう指導されていたので飲みました。
慣れない環境と生活リズムが違うため、朝まで断片的な睡眠を繰り返していました。
入院生活2日目
ついに手術当日。
今日は一日絶食です。
手術当日の準備で、早朝から腸内を綺麗にするため本格的な下剤を飲み始めます。
前日飲んだ下剤は、この下剤の補助のようなものです。
定期的に一定量の下剤を時間をかけて飲み、水も飲みます。
そして便意があるたびにトイレ。
その繰り返しです。
3回目の排泄から、看護士さんに排泄した状態を見せるよう言われていました。
これは‥中々の抵抗感です。
腸内が手術出来るほどきれいになったかどうか確認するために必要な過程ではあるのですが、恥ずかしいやら何やらで呼び出しボタンを押すのを躊躇ってしまいました。
しかしあちらも慣れたもの。
サッと見て「まだですね。もう少し下剤を飲んでください」と慣れた感じで言って去っていきます。
これを看護士さんがOKを出すまで繰り返すのですが、段々抵抗感がなくなってきました。
羞恥心<手術準備の必須という構図ができてくるんですね。
看護士さんに腸内が綺麗になったとOKサインをもらったその後は、血管に留置針を入れます。(ルート確保)
これは手術中の麻酔と点滴のための処置です。
これが実に実に難儀しました。
どうも私はやりにくい血管らしく、看護士さん→ベテランの看護士さん→医師が順番に来てどうにかこうにかやろうとするのですが、全く出来ず。
何か所も腕をさされて針を固定するためにグリグリやられて、痛くて涙が出ました。
この歳で「痛い痛い」と言いつつ痛さのために涙が出る経験をするとは思いませんでしたよ。
今回の全入院経験を通して、最難関だったのがこのルート確保。
もう二度とこんな経験をしたくないぐらい、痛かったです。
この処置に思いもかけず時間がかかり、手術現場から「まだですか」と催促がくる始末。
とうとう「手術現場で直接ルート確保するから連れてきてください、という連絡が来ています」という会話が聞こえてくるレベルの難儀度でした。
手術室に運ばれていくと、手術室専門らしきベテランのお姉さま方看護士に取り囲まれました。
腕を見た瞬間言われたのが「まあ!こんなに何回も刺されて可哀そうに。痛かったでしょう。(血管を見て)ここからならすぐに(ルート確保)できるわよねえ?(同僚と相談)じゃあ、とりあえず手術着に着替えてくださいね」
頼もしい・・・!なんて頼もしい言葉なんだ!
人生でこれほど神々しい人に出会ったことがない!
手術着に着替えたらすぐに横になったまま手術室に移動です。
手術台に乗せられた瞬間にルート確保をはじめとした各種処置や装着が、驚く程の効率で行われていきます。
あれほど苦労して痛い痛いと泣いたルート確保も「ここからいけるわね。ちょっとだけ痛みますよ」という一言で、あっという間に終了。(しかもそれほど痛くない)
あの痛みと時間は何だったんだ。
これが日々手術を何件もこなしているベテラン手術専門看護士の実力なのか。
そう思っている間に意識が落ちていきました。
気が付くとまだ手術中。
必要な時と場所に麻酔がかかっていればいいように調整していたらしく、意識が戻っても何も慌てた感じはありません。
むしろ「大丈夫だよ」といわんばかりに、体をゆっくりとなでてくれました。
優しい・・安心する・・
どうもベテラン医師がサポートとして入っているようで、技術指導もしているのでは?と思える感じの会話が聞こえてきました。
「いいよ~いい判断だねえ。でももう少し広く切ったほうがよりいいよ~」
「前よりやり方がうまくなったねえ。いいよいいよ~」
「お、いいね!手際が良くなってる。・・・そう、そこで止血。ばっちり」
褒めてのばすタイプのようです。
自分が手術されている時にこんな会話が聞こえてきても、全く不安になりませんでした。
私が能天気なのかなるようにしかならんという腹をくくっていたのか、どちらかわかりませんが。
兎に角ベテランの人がここにいる事、声が冷静で落ち着いていたのが大きいと思います。
ぼんやりとしているうちに手術が終わり、その後レントゲン室で撮影をして自分の病室に帰還。
これで手術自体はすべて完了しました。
その後は2~3時間はトイレに行きたくても起き上がらないでください、行きたい場合は呼んでください。との事。
私は麻酔が完全に覚めるまでずっとベットでウトウトまどろんでいました。
その後は点滴をして一日中横になっていました。
トイレ自体は自力で言ってもいいし呼んでも構いませんといわれていましたが、自力で行きました。
入院生活3日目
医師がお腹の痛みがないか、熱はあるか、血圧は正常か、排泄はあるのかないのか等々総合的に判断して、OKが出るまで絶食です。(水分は可)
この日は約1日絶食状態でした。
手術前からこの日まで約2日半は絶食していたことになります。
水分をとっていたとはいえ一切空腹感もなく、不思議です。
流石に体を動かすとお腹の内部に違和感を感じます。
そして体が横になりたがっているのが分かります。
回復のためほぼほぼ横になっていました。
入院生活4日目
制限食とはいえ、食事をとると体に力がみなぎってくるのが分かります。
通常よりも味つけや消化の良さを考慮された食事ですが、それでも食べるごとに細胞が生き生きしてくるのを感じます。
食事って生きるためにこんなに大切なんだな、という事を実感です。
あまりに寝すぎると腰が痛くなりませんか?私はなります。
この時がまさにそうで、腰のあたりにタオルを引いてカバーしたり少し起き上がったりしていました。
腰の事もありますが、この日から歩行する事を意識していました。
速く歩いたり遠距離は無理ですが、近くにある広い面会室で景色を見たり本を読んだりするようにしました。
動くのは動けるのですが相変わらずお腹の内部の違和感があります。
でも体は以前より明らかに動けません。
便も少量ですがでるようになり、排泄時に痛みも出血もありませんでした。
そのことを回診で医師に報告すると「このまま何事もなければ、予定通り明日退院となります。最終判断は明日の朝するので、明日また来ますね」といわれました。
入院生活5日目
いよいよ退院予定の朝。
朝食後、退院できるかどうかの最終判断のために回診がありました。
痛みがないか、出血はしてないか等々確認します。
私は何もなかったため「退院OK」となりました。
その後看護士さんがきて、今後の日常生活での注意点やしばらくの間守ってほしい事等の説明を受けました。
それがすむと、いよいよ退院です。
荷物をキャリーケースにまとめ、忘れ物がないか確認。
この日に提出する手続きも書類もなし。
この日は支払い額が確定していないため、支払いなし。
つまり病室を出たらそのまま日常へGO!
誰かにお見送りをされたりお迎えもされない身。
あまりにもあっさりと、そして淡々と。
病院から最寄り駅に行くバスに乗りましたが、退院したんだなという事をぼんやりと思うだけです。
入院中の事を懐かしく思うわけでもなく、解放感を味わっているだけでもなく。
でもバスが駅に着いた時、見慣れた光景が一気に目に入ってきました。
その瞬間、退院したのだと実感しました。
自宅に帰ったとき、「ただいま」と珍しく言いました。
誰も答えてくれる人はいないけど、やっと帰ってきたんだなと安堵したのを覚えています。
体は疲れやすくなっていて、少し動いただけでお腹の内部のハリのような違和感は感じるけど、それでも荷物をゆっくりでも片付けた終えた時。
自分のベットに倒れるように横になって「全てが終わって帰ってきたんだな。やっと終わったんだ」と安心感に包まれました。
一人で入院の手続きや準備を全部こなして実際に手術して入院して退院して、自分に「頑張ったんだね~」と褒めてあげてもいいよね。