「自分をいたわる」バレンタインの変化
バレンタインが大きく変化している
今年のバレンタインが過ぎて数日。
チョコレートをもらった人、贈った人も多いと思います。
でも密かに一番多いのは、自分のために買った人ではないかと思っています。
それは何故か。
有名デパートのバレンタイン催事やイベントとしてのチョコレート売場を覗いた人ならひしひしと感じると思いますが、売り場全体に大きな変化がみられるからです。
それは「自分のためのチョコレート」として売り出している店が増えているのです。
いわゆる「愛の告白」としてのバレンタインではなく、自分が楽しむためにチョコを買うイベントとなってきているのでは?という変化を感じるのです。
バレンタインのチョコは自分のために
バレンタイン催事をの覘いて数年、そのたびに感じることがあります。
それは「チョコレートが好きな自分が主役」という事。
・有名店がズラリと出展している
・多くの店がこの時期限定品(ラッピングを含む)を用意している
・「有名パティシエが来店」が色々な店で全面的にアピールしている
・パッケージデザインが女性が手にして喜びそうな物が多い
・「男性が好きな甘さ」というフレーズがほとんどない
・プレゼント用の「いかにも」感がある物が絶滅危惧種(特別感はあるけど)
・コレクター向けのアイテムも多数あり
・チョコレートを使った製品の種類も多い、幅広い商品展開
誰が言い出したのかはわかりませんが、これはまさにチョコレートのコミケ。
女性が自分の好きなチョコレートを吟味して買う、という欲望と願望の祭典。
女性が圧倒的に多い売場なので、やはり女性が好むような商品が圧倒的に多いです。
男性向けのプレゼントを探すという目線で見ると、こういう催事を訪れる目的としては、本当に些細な事だと実感します。
どの店も全面に出しているのが「味」「パッケージ」「見た目」「レア度」のいずれか。
まず自分で楽しみたくなる、そんな売り出し方です。
「さあ、この時期限定の希少なチョコレートを手にするのです」
そんな呼び込みが聞こえてきそう。
こういう売り方が影響したのか、あるいは主力の購買層である女性の意識が変化したのを反映しているのか。
バレンタインはもう「愛を告げるイベント」というよりも、自分へのご褒美イベントです。
これは素敵な傾向だと思います。
個人的な経験から言うと、なるべくしてなったという感想です。
過去に有名なお店のチョコレートを男性に贈ったことがありますが、その感想が「よく知らない店だけど美味しい」「量が少ないよね」ですよ?
相手の味の好みを考えて探して、贈り物だから下手な店は選べないよねと選んだ結果がこれですよ。
たとえ独りよがりの期待といわれても、がっかりしました。
そんな男性ばかりじゃないと思います。
でもそんな認識しか持たない人に苦労して手に入れたチョコレートを贈る馬鹿馬鹿しさと虚しさ。
余程の甘い物好きとか知名度の高い店じゃないと、そもそも男性は「そのチョコレートはどれだけの価値があるのか」「手に入れるための苦労」を知らない人も多いですからね。
だから、もう自分が楽しんで良いじゃない。
男性への愛の告白イベント?カップルの愛を確認するイベント?
それよりも「チョコレート美味しい!いろんなチョコレートいっぱいあって楽しい!」これでいいじゃん。
何で虚しくなるために苦労しなきゃならないんだ?
こんなに美味しそうなチョコレートが沢山、自分で味わいたい!
自分をいたわるのも愛
バレンタインと言えば様々な作品の中で、定番の恋愛イベント。
現実でもそういう要素はまだまだ残っていると思います。
恋愛相手だけじゃなくて「大切な人に気持ちを伝えるイベント」という側面も楽しいでしょう。
でもその縛りから、もっと解放されても良いと思いますよ。
相手を大切にする気持ちを愛というならば、自分をいたわるのも愛。
だから自分へのご褒美としてのバレンタインも、大切な愛のイベント。
後は義理チョコという、思いのかけらもない存在が滅んでくれることを願っています。あれって送るほうも大変だけど、お返しする方も本当に苦労してるんですよね。
ホワイトデーの季節になると、お父さんたちが「とりあえず高級なお菓子を会社の子に配ろう」と某高級チョコレート店やお菓子屋さんに並んでるのをよく見かけていました。
気苦労だけする「季節はずれのお歳暮的なもの」、それが義理チョコ周辺の事情です。
お返しを用意する方もうっかりしたものを渡せば恥をかきそうですしね。
もう自分をいたわるイベントでいいじゃない。
渡したい人は渡せばいいじゃない。
そんな変化がどんどん主流になってきてほしいな。