おばちゃん2人がサイドカーに乗って料理旅する番組「Two Fat Ladies」を見てみた
「Two Fat Ladies」という番組を知る
約26年前のBBCの番組「Two Fat Ladies」をひょんなことで知り、1話だけ見てみました。
どういう内容か誰が出ているか知らないままですが、映像だけで何となくわかります。
見た目はタイトル通り。
2人のふくよかな中年女性がサイドカーに乗り、イギリス各地を旅しながら旅先のレストランで現地の素材を使って自分達で料理するという番組です。
Two Fat Ladies S01E01 Fish & Shellfish - YouTube
1話を具体的にいうと、現地の漁師から魚を調達し、貝を自分たちで採ってきて調理して食べる、という内容です。
(ちなみに全編英語で字幕はありません。無料で見れます。
何故か同じ話を2回繰り返しています)
今回は魚と貝料理の話でしたが、それがまた何とも言えず「外国の料理番組だなあ」という雰囲気たっぷりでした。
ロマン無き「サイドカー二人旅」という迫力
サイドカーに乗って旅をする、というシチュエーションだけでロードムービー的な映画やドラマができそうです。
でもこの番組では、そんな「どこかの幻想」的なものはありません。
2人組の中々逞しい中年女性がレストラン兼宿にサイドカーで乗り付ける、というとこから始まります。
文字で状況を書くと「女二人旅、二度目の青春、人生賛歌」等のテーマを思い浮かべそうですが、この二人を見るとそんなものはぶっ飛びます。
いってしまえば、逞しいおばちゃん2人。
「この二人がサイドカーで乗り付けた」
これだけです。
これだけで全てが完結するのです。
青春のやり直し?人生賛歌?旅情?
一切なし!
冒頭から何か違います。
「映え」のある旅情や「丁寧な作業」なし、というパワー感溢れる内容
女性二人組ですが、正直言って美女ではありません。
どっちかというと日常にいるおばちゃんっぽいです。
特に大親友という雰囲気でもなく、かといって仲が悪いという雰囲気ではなく。
謎の関係ですが、程よい距離感を感じます。
行動もおばちゃんそのもの。
テレビだからといって、特に見栄え良く何かを紹介したり行動しません。
具体的にどういう事をしているかというと
・食材をそこら辺にありそうなバケツに放り込む
・現地の人との触れ合いなんてなし(日常会話の延長戦)
・真っ赤なネイルをして調理
・鍋や容器に残った食材を手でかき集めて使う
・いわゆる「料理教室」のような調理ではなく日常の調理風景
旅情や観光紹介なんて、全くないです。
食材調達の会話なんて
「(食材の)魚はどこでも手に入る?」
「あっちの漁師から手に入る」
「○○はどこにある?」
「○○にあるよ」
というぐらいです。
これは料理をする番組である、という事に全振りしている思い切りの良さがあります。
一つ一つの行動が、画面から日常の延長という雰囲気が強いです。
調理場面とその後の場面の力強さよ
神経質な人が見ると、卒倒するかもしれないぐらい素手で食材をいじります。
しかも真っ赤なネイルをした手で。
今ならこれだけでも炎上するかもしれません。
先に書いたように、鍋に残った食材を手でかき集めて普通に使っています。
投げつけるように具材を乗せたり置いたりします。
調理している途中なのに「凄くおいしそう!」という感覚になりにくい風景です。
繊細さも美しさも程遠い調理風景。
しかし気づきます。
この番組は調理方法を懇切丁寧に紹介する番組ではなく、2人のおばちゃんが只々料理をして食べるという番組であることに。
ある意味リアルな調理風景です。
日常の調理って、料理番組みたいに綺麗な作り方はまずできませんもの。
そして出来上がり。
不思議と美味しそうに私には見えました。
いわゆる一流レストランの高級料理ではなく、日常のちょっといい料理を食べているようです。
リアルな美味しさを感じる画面でした。
でも映ってる時間が短いんですよ。
そして最後の場面。
おばちゃん2人が酒を飲んで、煙草をふかしてちょっとおしゃべりしてる。
そんな今では滅多にみられない終わり方でした。
英語がわからなくても何をやってるかわかる
日本語は一切ありません。
英語だけの字幕なしの番組です。
私は英語の詳細はわかりませんが、ただ見るだけでもどこか面白みを感じます。
おばちゃん2人組の大雑把さとパワーが楽しかったです。
日本でこの番組を流すなら、深夜帯かBSとかケーブルテレビかな。
それも詳細に見るんじゃなくて、ダラダラと流して、ふとみて笑っちゃうような感じですね。