今週のお題「あまい」
ケーキ1ホールを買った
ケーキを1ホール買って食べる。
子供の頃の夢でした。
その夢を社会人になって3年目前後の頃に実行したことがあります。
その当時好きだったケーキ屋でお茶をしてたとき、突然この夢を思い出したのです。
1ホールなんて食べきれる?賞味期限は?
そんなことが頭に浮かびましたが、頭の中は「欲しい」という欲望で一杯。
賞味期限なんて気にしない。
美味しいから食べきれる食べきれる、平気平気。
という暴走状態。
でもやっぱり生クリームをたっぷり使っているショートケーキ系は痛みが早そうし、やめておこう。
そうなると、これ!
というわけで選んだのが、チーズクリームをたっぷり使ったチーズタルトでした。
その店は1ホールのケーキを切り分けて販売しており、お茶もできます。
だから基本的に、ケーキは切り分けて店に並べられています。
いきなりケーキを1ホール欲しいと言ってもあるかどうか。
どきどきしながら店員さんに1ホールケーキが欲しい事を伝えると、店に出す前の物があれば可能との事。
そこでチーズタルトが欲しいというと、幸いにも買うことができました。
買ったケーキを手にしたときの重みとワクワク感。
まさに甘い幸せの重さでした。
「ケーキが家にある」という幸福感
家に帰って思う存分味わいました。
チーズの濃厚さ、甘みとほのかに感じる酸味、口に運ぶ度に味わう幸福感。
はあ~こんなにおいしい物を独り占めするなんて幸せ。
食べ進む毎に感じる、独占する喜びとちょっとした背徳感。
カットされたケーキを食べる喜びとは、また違う幸福感です。
カットされたケーキを同じ量食べたとしても、この独占する喜びは味わえないでしょう。
数を独占するのではなく、全体を独占するという優越感というものかもしれません。
しかし当然ですが、一度に全部食べきることはできませんでした。
お腹が一杯になるという満足感もあるのですが、それよりも気がついたことがあります。
人間一度に糖分を取りすぎると頭が重くなるということを。
頭痛というほどではないのですが、ぼんやりとして食うというか重くなるのです。
そして「これ以上食べると危険だな」と本能で感じました。
そこで残りを冷蔵庫に入れて、毎日ちょっとずつ食べることにしました。
「家にケーキが1ホールあるんだぞ(食べかけだけど)」
「1ホールケーキを買ったんだぞ、ふふふ(やった人が少ない事をやった)」
「今までできなかったことを私はやれた」
仕事で嫌なことがあっても、満員電車に辟易してても、疲れ果ててどうしようもなくなっていても、自己肯定感と自信がぐーんとあがっていました。
「だからどうした、私はやれるぞ。負けないぞ」
1ホールケーキを買ったという事で生まれた、そんな幸福感と自信。
冷静に考えれば「ケーキが家にある事で何を言ってるんだ」なのですが、好きな物が家にあることとやりたかったことを実行したことが、自分の心をどーんと底上げしていました。
食べ終わっても幸せと自信がちょっぴり残った
ケーキを食べ終わっても、この自分への肯定感の高さと自信はしばらく残りました。
それはやはり「やりたかったことができた」という満足感のせいだと思います。
勿論ケーキ自体美味しくて、食べる幸せを存分に味わったのもありますが。
やりたかったことができたという事実は、自分に凄く元気が出るんですね。
本当にケーキ1ホール買いをしてよかったと、思っています。