一人旅で自殺志願者疑惑を持たれた話
今週のお題「遠くへ行きたい」
「女の一人旅」という鬼門
今はそれほどではないと思いますが、かつて「女の一人旅は自殺志願者」という常識というかセオリーが旅館などに色濃くありました。
私は一人旅をするまで知らなかったのですが、後で言われました。
「女が一人旅をするのは訳ありすぎて鬼門」と。
今も一人旅をめぐる状況は、費用や受け入れ側の問題で正直ハードルが高いです。
私が一人旅をした時代と比べて、すんなりとできる方法と難しい方法と二極化が進んでいると思います。
昔一人旅をしたときの思い出です。
温泉旅行に一人でいったら
一人旅で、某関東の山奥にあるちょっとした温泉地に行ったことがあります。
温泉宿の受付をしたときに
「お客様、お1人でしょうか?」「はい」
「お荷物はそれだけですか?」「はい」
その質問をしたとき、微妙に受付の人の顔がピクっとなったのを覚えています。
私は旅行の2、3日前に突然温泉旅行がしたくなり、思い立ったが吉日と手配を個人でしました。
(あとで考えると、これが疑惑を更に深くしたのかもしれない)
宿泊は外で食べようと思って、夕飯無しに。
そして荷物はトートバック1個にすんなる収まるコンパクトさ。
部屋に案内されたときに観光名所なども教えてくれたのですが、私はそこまで興味がありませんでした。
部屋でゆっくりと過ごすことと、温泉にのんびりと浸かることを目的としていたからです。
その様子が「何か訳あり」と思われたのでしょうか。
仲居さんが部屋に、「ご不便ありませんか」と細かく来るのです。
最初は親切だな~と思ってたのですが、段々様子に緊張感が漂っていることに気が付きました。
ここから、何かおかしいと気が付いたのです。
いたらホッとされたの連続
付近を簡単に散策し受付でルームキーを貰う時の受付のホッとした顔。
布団を引きに来てくれた人の「ちゃんといた」という顔。
夕食を外から食べて帰ってきた時の安堵された顔。
朝ごはんが部屋に運ばれてきた時のホッとした顔。
無事に支払を済ませて宿を後にしたときの受付の人のすっきりした顔。
今から思うと、存在確認の意味もあったのだと思います。
当時の私は、「サービスにしては何か変だな?」という感覚しかありませんでした。
「一人旅は訳ありもの」という常識があると知る
手荷物も少なく、観光にもほとんど興味がない。
しかも食事の準備もあまり必要のない女の一人旅。
これは旅館側にしたら、危険物件という事だと後々友人に教えてもらいました。
自殺志願者やそれに準ずることをしそうな客、として見られるよ。とのこと。
私は全くそんな気はありませんでした。
ただのんびりしたいだけだったのに、そうとられるのかと驚いた経験です。
一人でいろんなところに行ってみたいのに厳しい
今一人旅をするならば、いわゆるビジネスプランが一番面倒がありません。
しかし旅行は、たまにはいい温泉宿やホテルでダラーっと過ごしたいじゃないですか。
昔よりも受け入れてくれる宿もありますが、受け入れ態勢は両極端です。
交通費も一人旅は馬鹿になりません。
2人以上だと大幅割引が利く交通プランはあるのですが、一人だと色々と調べて計算してなるべく安くすることを考えなければなりません。
正規料金で移動もざらです。
一人旅がもっと手軽に行けるようになればいいのになあ、と思わずにいられません。