お題「これまで生きてきて「死ぬかと思った」瞬間はありますか?身体的なものでも精神的なものでも」
自分が本気で「死ぬ」と感じた思い出
今まで「これは死ぬかも」と思った事は何回かありますが、子供の頃の思い出を書いていきたいと思います。
それはまだ小学生の頃。
地域の子供たちが様々な活動をするために所属していた「子供会」というものがあるのですが、分かるでしょうか?
ボーイスカウトに近いもの、と言ったらわかりやすいと思います。
私の体験は、子供会でキャンプに行ったときにありました。
そのことを書いていきたいと思います。
山へキャンプに行って崖から落ちた
その年の子供会のキャンプは山でした。
実は私はそこまでキャンプが好きではなく、この行事は毎年できれば参加したくないものでした。
なぜなら日常がド田舎に住んでいるので、ワザワザ「自然大好き!みんなで体験!」となる必要を感じられなかったからです。
しかも積極的に集団行動をしたいと思う子供でもなかったので。
ではそんな子供がキャンプに行くとどうなるか。
キャンプはそれなりに楽しいのですが、内心は「早く帰りたいなあ」という気持ちがあります。
自分のやることをやって特に人の手伝いもしなくていいな、と判断した時。
キャンプ場周辺を散策することにしました。
そのキャンプ場は比較的山の頂上付近にあり、キャンプ場周囲は木々がうっそうと茂っていました。
その中を子供一人でうろうろしていたわけですから、今から考えると危険に自分から飛び込んでいったようなものです。
山道には当然柵も舗装もされていません。
そろそろ引き返そう。
そう思って来た道を急いで戻っていた時、いきなり足元の感覚がなくなりました。
ガクンっと体が傾いて「え!?」と思った瞬間、ズルーっと体が滑り落ちていました。
斜めに、というよりも下方向に体が落ちていくのです。
その時目の前がやたらゆっくりと流れたのを今でも覚えています。
声も出せずただ体が落ちていく。
「あ、これ死ぬな」
その瞬間冷静にそう思いました。
そして気が付くと、崖の途中の少し足場があるところに自分がいました。
「生きてる」
呆然としながら周囲をみると、数m上の崖から落ちていました。
ヘタに力を入れたらそのまま崩れ落ちそうな剥き出しの土と、そばにある木々から伸びているわずかな枝。
体は幸い大きなケガもなく、少し擦り傷ができているぐらいです。
周囲に人は当然いません。
自分が置かれた状況が段々わかってくると、「このまま待っていてもダメだな」と感じてきました。
崖から落ちたというショックがまだありますが、「助かるために早く行動しなくては」という気持ちが徐々に湧いてきます。
そこで自力で崖を登ろうと決意して、登り始めました。
自力で崖を登っている時、足場の土が崩れたりしました。
その時になって初めて恐怖心が湧きました。
進まなくては助からなさそうだし、進んでもさらに崖を落ちるかもしれない。
恐らくですが崖を落ちたショック状態の間は感覚が麻痺していて、恐怖心を感じてなかったのでしょう。
それがだんだん冷静になったのと、さらなる状況で恐怖心とパニック感覚が戻ってきたのだと思います。
なんとか自力で登り終えたときは、その場で大きく息を吐きました。
助かったという安堵感と改めて自分がとんでもないことになっていた、という事を実感したからです。
一人で動くな、動くなら人に言ってから人目のあるところを
キャンプ地に戻った後の事はどうだったのか?
それははっきりと覚えていません。
ただ普通にキャンプの日程を終えて皆と帰宅したのを覚えています。
助かったからよかったものの、山では絶対に一人で行動しちゃダメだなと。
どうしてもするなら「ここに行く」と目的を場所を伝えることを忘れないほうがいいです。
そして兎に角人目がある場所を意識する事。
危険リスクを考える能力も必要です。
無事に生還できてよかった。
そう思っています。